アンデルセンの絵のない絵本って読んだことありますか❓
タイトルの絵のない絵本って言う通り、絵はありません。
でも、読み進めていくうちに、詩のような文章から、風景を想像してみると、美しい絵が心に浮かんできます。
絵は、読んでる人にだけ写る、心の風景なのかもしれません。
そして美しい物語を紡いでいるのは「月」です。
月と言う言葉から、どんなことを想像しますか❓
私は最初にこの本を読んだ時は、暗い夜の世界を照らす月が、静かに見せてくれる幻想的な美しい世界のことを想像しました。
内容は、世界の隅々まで照らす月が、見降ろしながら見える下界の美しい情景。
そこから見える人々の心の機微を、月は一人の貧しい若い画家に静かに物語っていきます。
三十三話から成る夜の短いストーリーは、物語というよりは、詩的でもあり絵画的でもあり、心にその景色がすっと浮かんで来て、なんとも、あったかい気持ちや、悲しい気持ちになったり。
不思議です。
でも、ふと、今読み返してみると、作者のアンデルセンは、自分が見た夢を月に見たてて、物語に描いたのかな❓とも思えたりします。
占星術では、月は無意識的なもの。
夢も月が象徴するところがある様に思えます。
追いかけても、つかめないものです。
あると思っていても、幻でしかないもの。
しかし、私たちは、生まれた時から7才まで持っている純粋な月の記憶があります。
月は大衆に訴えかける力(人気)はあるみたいなのですね。
ちなみにアンデルセンのホロスコープですが、月は牡牛座です。⬇️(クリックして拡大)
出てくる情景は、どれも美しいのですが、背景には、貧しさや、命の儚さの苦悩が満ちている気もします。
その中でも「死」をリアルに見届けている月の姿が何話かありました。
アンデルセンはとにかく貧しい幼少時代を過ごしていたそうで、最初は、役者や声楽家を目指すも挫折したり、執筆活動も必ずしも上手くいっていたわけでもなさそうで、「子供だましな作品」として評価されたり、苦労はあったのだと思います。
グリム童話や、ギリシャ神話みたいに、その土地伝来に伝わる民話や寓話を収集した訳でもなく、作品は、だいたいアンデルセン自身からの発想が多いというところと、作品自体にも、アンデルセンの願望が込められている様で、月の部分の影響だろうか。。。なんて考えたりしました。
マッチ売りの少女や、みにくいアヒルの子、人魚姫など、苦悩の末の浄化した姿や、儚さの中に唯一残る崇高さなど、少しもの悲しいのが特徴的で、本人は、叶えられない夢があったり、貧しく生きるしかなかったりしたのかもしれないけど、せめて、世界には「こうあってほしい」という純粋な彼の月の願いが作品の中には、あったのかもしれないと思ったりしました。
月牡牛座の格言
自分がたとえ貧乏でも私はこの世界の豊かさを願います。